2009年12月2日水曜日

簡保財政と後発医薬品

健康保険財政の赤字体質からジェネリック医薬品が推奨されてきているように思われますが。ジェネリック医薬品は安全性の確かな我が国の財産です。
我が国は少資源の国です。何事も物を大切にして、活かす・・・という気風が戦後の高度成長期、使い捨てが美徳の風潮がありましたが、その頃に無くしたのでしょうか。

外国ではかなり前から、相当の比率で使われています。我が国で今頃というのは、業界の働きかけがあったようにも勘ぐれますが・・・薬効と安全性を良く理解して、定評あるジェネリック医薬品の使用を促進しましょう。

「広島県呉市 昨年7月から、後発薬に変更することで節約できる薬代を個別に知らせる「ジェネリック医薬品促進通知サービス」を開始。毎月約3000人を対象に実施し、今年3月までに通知を受けた人の約6割が後発薬に切り替え、約4400万円の削減効果があったという。」

一方では、かっての「安かろう悪かろう」のイメージから抜け切れず抵抗感を抱くケースも多いとの指摘もあります。実際私も一度使ってみましたが、その時は、値段はさほど安くなりませんでしたが。

ジェネリック医薬品の普及率(2008年):数量ベース
米国 68.6%
カナダ 65.6%
ドイツ 63.7%
英国 60.9%
フランス 39.8
スペイン 34.5
イタリア 32.8
日本 17.2(2007年度)

(産経新聞21.10.24より)

上記のように諸外国ではかなり前から使われています。

門真市は19日、国民健康保険加入者のうち生活習慣病で新薬を使用している被保険者を対象に、新薬より安価なジェネリック医薬品に切り替えた場合の治療費の差額を通知するサービスを開始すると発表した。
(産経新聞21.10.20)

≪コメント≫
価格は平均して、新薬の約半分だが、欧米に比べ、日本では後発医薬品つまりジェネリック医薬品の利用はかなり低い。
もっとも、ジェネリック医薬品の話が盛り上がってきたのは、健康保険が財政難になってきたからなのだ。背に腹は代えられないというわけだろう。
本来は、そうならなくても使えるものは使う、というのが自然ではないだろうか。
健保財政がここまで追い込まれてくるのははるか前から分かっていたと思う。自己変革できない日本の姿がここにも表れているのだ。

私たち普段の生活のなかで、何が問題か、諸国の状況はどうか・・なかなか気がつかない。新聞などで問題を知ると、その時は諸外国に比べかなり遅れている、ということがしょっちゅうだ。随時情報を得て、それでは私たちはどうしようか、と考えることができるとよいと思う。